人は、日常生活で色々な事態に直面して、それによってさまざまな感情を抱きます。
嬉しいことだったり、悲しいことだったり、腹が立つことだったり、がっかりすることだったり、不安に駆られることも多々ありますよね。
そういった感情をすぐに表に出す人もいれば、内に秘めて表にはほとんど出さない人もいます。
嬉しいときや、楽しいときというのは、長い時間をかけてじっくりと味わいたいものですが、
逆に怒りがこみ上げて来たときや、イライラするとき、また不安に駆られたときなどは、できれば、あまり長時間引きずりたくないですよね。
長時間そのようなネガティブな感情を持ったままにすると、体調にも悪影響が現れるでしょう。
そのように、特にマイナス(ネガティブ)な感情を抱いてしまったときは、少し冷静になれると一番良いのですが、
冷静になれといっても、なかなか自分の感情を簡単にコントロールできないことの方が多いかと思います。
そんなときに、良い方法があります。
それは、ネガティブな感情を強く感じたときに、「自分の世界」に閉じこもってあれこれ思い悩むのではなく、自分からいったん外に出て、ネガティブな状態の自分を外から眺めてみるのです。
例えば、急に誰かに対してイライラし始めた自分に気づいたとき、
ふと頭を上に向けて、
「あ、今○○(相手)にイライラしている自分がいるなあ」
「あいつ(自分)はなんでそんなにイライラしてるんだろうね」
「そうか、あいつ(自分)はそれでイライラしてるのか」
などと、いったん外から、イライラしている自分を眺めてみます。
そこには、イライラしている自分と、相手のイメージがあるわけです。
そして、第三者の目から、自分と相手を見てみる。
そうすると、少し冷静にこの事態を見つめることができます。
「自分」の世界にどっぷり浸かってしまうと、周りの世界が全く見えなくなるので、過剰な感情が働いたり、抱いた感情がさらに増幅したりします。
抱いた感情というのは、あくまで自分の心の中の反応ですから、自分でコントロールすることも可能になるわけです。
昨日、私は友人の精神科医の方と話す機会があったのですが、その方は、患者さんやそのご家族と向き合う際に、やはり色々な感情を抱くそうです。
ときには非常にイライラしたりネガティブな感情を抱くこともあるようですが、
その感情を自分の中に感じとったときに、すぐに、
いったん外に出て、自分のことを外から眺めてみる、ということを習慣にしているそうです。
そうすることで、感情の増幅を抑えることができ、冷静になって、心理的に良い状態を保つことができるとのことでした。
この精神科医の方はさすがだなあと感じました。
しっかりとご自身の感情をうまくコントロールしているのです。
さて、これとは逆に、嬉しいことや、楽しいことは、しっかりと「自分」の中に入って、堪能すると良いでしょう。
「俯瞰する」ということは、ポジティブなことでもネガティブなことでも、その印象を薄れさせる効果があります。
是非あなたも、ネガティブな感情を抱いたとき、俯瞰して自分をみる、ということを一度試してみてください。